任意後見契約⑥
鹿児島市の行政書士安田事務所です。
任意後見契約作成の支援をしています。よろしくお願いします。
任意後見契約
任意後見人や任意後見監督人に、報酬は支払うのか。
任意後見人に報酬を支払うか否かは、本人と任意後見人になることを引き受けた
者との話し合いで決めることになります。
ごく一般的に言えば、任意後見人を、第三者に依頼した場合には、報酬を支払う
のが普通ですが、身内の者が引き受けた場合には、無報酬の場合が多いといえます。
任意後見監督人には、家庭裁判所の判断により、報酬が支払われます。その報酬
額は、家庭裁判所が事案に応じて決定しますが、本人の財産の額、当該監督事務の
内容、任意後見人の報酬その他の諸事情を総合して、無理のない額が決定される
ようです。決定された報酬は、任意後見人が管理する本人の財産から支出されます。
ちなみに、東京家庭裁判所の「成年後見人等の報酬額のめやす」によると、成年後見
任が通常の後見事務を行った場合の報酬は、月額20,000円がめやすとされており
(管理財産額が1,000万円~5,000万円までは月額3万円~4万円、5,000万円を超える
と月額5万円~6万円)、成年後見監督人の報酬のめやすは、管理財産が5,000万円
以下では月額1万円~2万円、5,000万円を超えると月額25,000円~30,000円とされ
ています。
任意後見契約を、途中でやめることはできるか。
任意後見契約を解除することはできますが、下記のとおり、解除する時期により、その
要件が異なります。
1、任意後見監督人が選任される前
公証人の認証を受けた書面によっていつでも解除できます。合意解除の場合には、合意
解除書に認証を受ければすぐに解除の効力が発生し、当事者の一方からの解除の場合は、
解除の意思表示のなされた書面に認証を受け、これを相手方に送付してその旨を通告する
ことが必要です。
2、任意後見監督人が選任された後
任意後見監督人が選任された後は、正当な理由があるときに限り、かつ、家庭裁判所の
許可を受けて、解除することができます。
なお、前記のとおり、任意後見人について任務に適さない事由が認められるときは、家
庭裁判所は、本人、親族、任意後見監督人の請求により、任意後見人を解任することが
できます。
任意後見人の仕事は、かなり大変な仕事ではないかと思われます。したがって、任意後
見契約が無報酬の場合には、任意後見人の労苦に報いるために、将来自分に万一のことが
あったときには、任意後見人になった者に、より多くの財産を相続させたり(任意後見人
が相続人でない場合)するなどの配慮をしておくことも、考えてよいことではないかと
思われます。