任意後見契約③
鹿児島市の行政書士安田事務所です。
任意後見契約の作成を支援しています。よろしくお願いします。
任意後見人は身内でもなれるか。
成人であれば、誰でも、あなたの信頼できる人を、任意後見人にすることができます。
身内の者でも、友人でも全然問題ありません。ただし、法律がふさわしくないと定め
ている事由のある者(破産者、本人と訴訟をした者、不正な行為、著しい不行跡その
他任意後見人の任務に適さない事由のある者(例えば金銭にルーズな人)など)は適
さない。
もとより、社会福祉士、司法書士、弁護士等の専門家に依頼してもよいですし、
また、法人(例えば社会福祉協議会等の社会福祉法人や家庭問題情報センター、リーガル
サポートセンター等々)に後見人になってもらうこともできます。
任意後見人は、いつから仕事を始めるのか。
任意後見契約は、本人の判断能力が衰えた場合に備えてあらかじめ結ばれるものですから
任意後見人の仕事は、本人が判断能力が衰えてきた状態になってから、始まることになり
ます。
具体的には、任意後見人になることを引き受けた人(「任意後見受任者」といいます。)
や親族等が、家庭裁判所に対し、本人の判断能力が衰えて任意後見事務を開始する必要が
生じたので、「任意後見監督人」を選任してほしい旨の申立てをします。そして、家庭裁
判所が、任意後見人を監督すべき「任意後見監督人」を選任すると、そのときから、任意
後見受任者は、「任意後見人」として、契約に定めた仕事を開始することになります。
任意後見人に、大切な預貯金等の財産を使い込まれる心配はないか。
もともと、任意後見人は、あなた自身が、最も信頼できる人として、自分で選んだ人です
(ですから、契約に際しては、真に信頼できる人かどうかを良く吟味して選ぶことがとても
大切になります。)。しかも、前記のように、任意後見人の仕事は、家庭裁判所によって、
任意後見監督人が選任された後に初めて開始されます。
したがって、任意後見監督人が、任意後見人の仕事について、それが適正になされているか
否かをチェックしてくれますし、任意後見監督人からの報告を通じて、家庭裁判所にも、任
意後見人の仕事を間接的にチェックする仕組みになっています。
そして、任意後見人に、著しい不行跡、その他任務に適しない事由が認められたときは、家庭
裁判所は、本人、親族、任意後見監督人の請求により、任意後見人を解任することができること
になっています。
以上によれば、任意後見は、制度的に、後見人に使い込みなどをされる危険は少ないといえ
ますので、万一のことをご心配されて、契約を躊躇するよりも、ご自身がしっかりしているうち
に、ご自身の判断で、積極的に老後に備える準備をされた方が賢明といえるのではないかと思い
ます。