入管手続と申請取次制度の概要③
鹿児島市の行政書士安田事務所の安田三三男(やすだみさお)です。
⑷査証(VISA)・在留資格認定証明書
査証(VISA)
我が国に上陸しようとする外国人は、原則として有効な旅券を所持していることのほかに、所持する
旅券に日本国領事館等が発給した有効な査証を所持していなければなりません。
査証は、その外国人の所持する旅券が権限ある官憲によって適法に発給された有効なものである
ことを「確認」するとともに、当該外国人の我が国への入国及び在留が査証に記載されている条件
のもとにおいて適当であるとの「推薦」の性質を持っています。
なお、我が国において査証を発給することは外務省の所掌事務となっています。
在留資格認定証明書
入管法は、外国人が、短期滞在以外の在留資格で我が国に上陸しようとする場合には、申請
時に基づき法務大臣があらかじめ在留資格に関する上陸条件の適合性を審査し、その結果、当該
条件に適合する場合にその旨の証明書を交付できることを定めています(在留資格認定証明書交付
申請)。交付される文書を在留資格認定証明書といいます。この在留資格認定証明書制度は、入国
審査手続の簡易・迅速化と効率化を図ることを目的としています。
在留資格認定証明書は、我が国に上陸しようとする外国人が、我が国において行おうとする活動
が上陸のための条件(在留資格該当性・上陸基準適合性の要件)に適合しているかどうかについて
法務大臣が事前に審査を行い、この条件に適合すると認められる場合に交付されるものです。
なお、その外国人が我が国で行おうとする活動に在留資格該当性・上陸基準適合性が認められる場合
でも、その外国人が上陸拒否事由に該当するなど他の上陸条件に適合しないことが判明したときは、
在留資格認定証明書は交付されません。
外国人が、在留資格認定証明書を日本国領事館等に提示して査証の申請をした場合には、在留資格
に係る上陸のための条件についての法務大臣の事前審査を終えているものとして扱われるため、査証
の発給に係る審査は迅速に行われます。
また、出入国港において同証明書を提示する外国人は、入国審査官から在留資格に関する上陸条件
に適合する者として取り扱われますので、上陸審査も簡易に行われます。
⑸上陸拒否事由(入管法第5条)
国家は、その国にとって好ましからざる外国人の入国を禁じ又適当と認める条件により入国を許可す
る権限を有することは国際法上確立した原則であり、各国とも公衆衛生、公の秩序、国内の治安等が
害されるおそれがあると認める外国人の入国・上陸を拒否することとしています。
我が国にとって上陸を認めることが好ましくない外国人の類型が上陸拒否事由で、具体的には次の
ような類型の外国人がわが国への入国を拒否されます。
①保健・衛生上の観点から上陸を認めることが好ましくない者
②反社会性が強いと認められることにより上陸を認めることが好ましくない者
③我が国から退去強制を受けたこと等により上陸を認めることが好ましくない者
④我が国の利益又は公安を害するおそれがあるため上陸を認めることが好ましくない者
⑤相互主義に基づき上陸を認めない