入管手続と申請取次制度の概要②
鹿児島市の行政書士安田事務所の安田三三男(やすだみさお)です。
入管手続と申請取次制度の概要
第2各種手続き
1、出入国審査手続き
⑴フローチャート
外国人の入国及び上陸に関する基本原則は、入管法第2章に規定されています。第2章の第1節では、
外国人が日本の領域内に入る要件について定め、第2節では、「外国人の上陸」として、日本に上陸
することのできない外国人の類型を上陸拒否事由として定めています。
外国との国境を陸続きで接する国にあっては、入国とは外国人が国境を越えて領土内に入ることで
ありこれと別に上陸という概念を設定すると実益もありませんが、周囲を海に囲まれているわが国
においては、外国人が領海内に入ること(入国)と外国人が領土に入ること(上陸)を区別して
います。
すなわち、入管法では、入国と上陸を別個の概念としいて区分し、この2つについてそれぞれ異
なった規制をするという入国管理法制を採用しています。
外国人がわが国の領海内に入った段階において規制を実施することができるようにするために、
「有効な旅券を所持すべきこと」という入国条件を定め、この入国条件に違反した外国人は規制の
対象となるという法制になっています。
また、わが国に上陸し在留しようとする外国人については、我が国の社会と実質的かかわりを
持つことから、これを認める否かについて上陸のための審査を行うことが必要となります。
しかし、わが国の領海や領空内に入ったとしても、わが国に上陸することなく領海や領空を通過
する外国人も存在することから、外国人からの上陸申請をもって審査し上陸の許否を決定してい
ます。
入管法が「外国人の入国」と「外国人の上陸」を区別し、それぞれについて必要な要件を定めて
いるのは以上のような点を考慮したものなのです。
日本人については、帰国の権利が保障されているので、入国と上陸というような区別をすること
なくわが国の領域内に入り、かつ上陸することを「帰国」という概念を設けて、帰国の確認を行っ
ています。
⑵外国人の入国の要件(入管法第3条)
外国人がわが国の領海内に入るためには、有効な旅券を所持しなければなりません。ただし、乗員
又はわが国において乗員となる外国人については、有効な乗員手帳を所持していれば、有効な旅券
を所持していない場合でもわが国に入国することができます。
また、入国審査官から上陸許可の証印又は上陸の許可を受けないで本邦に上陸する目的を有する
者はわが国に入国することはできません。
これらの要件に違反してわが国に入国した者は、入管法第24条第1号(不法入国)該当者として
わが国から退去を強制されるほか、入管法第70条第1項第1号該当者として刑事罰の対象となります。