会社設立の定款認証⑭
鹿児島市の行政書士安田事務所の安田三三男(やすだみさお)です。
会社設立の定款認証を支援しています。よろしくお願いします。
会社設立の定款認証
取締役の員数の定め方
株式会社には、1人又は2人以上の取締役を置かねばならず(会326条1項)、取締役会
設置会社には、取締役は3人以上必要です(会331条5項)。公開会社は取締役会を設置
しなければならないので(会327条1項1号)、取締役が1人でもよいのは、非公開会社
のうち取締役会を設置しない会社です。これらの規定を守る限り、定款で取締役の数の
最下限、最上限をどのように定めることも自由です。任意的記載事項です。何名以内と
定める方法が比較的多いが、何名以上と下限を定める方法、何名以上何名以下といよう
に上限と下限とを定める方法等いろいろの定め方があります。取締役の員数が、法律
又は定款で定める最低限を欠くこととなるときに備えて、予め補欠の選任もすることが
できます(会329条3項、会社法施行規則96条)。最低数を欠かない以上、補欠を選任
する必要がないから、「1名以上3名以内」又は単に「3名以内」と定めるのが便宜です。
2、取締役の選任方法
1、取締役は、株主総会において選任します(会329条1項)。もっとも、会社設立時は
発起人において(会38条1項)、募集設立の場合は創立総会において(会88条)、設立
時取締役を選任します。なお、発起設立の場合、定款で設立時取締役として定められた
者は、出資の履行が完了した時に、設立時取締役に選任されたものとみなされます(会38
条1項)。
取締役の選任は、株主総会の専決事項であるから、これを総会外の他の機関、例えば
取締役会とか第三者に委ねることはできません。
取締役専任の決議は、定款で特別の定めがある場合を除き、普通議決です(会309条1
項)。定款で定足数を3分の1に軽減するのが通常ですが、定款で定める場合でも、定足
数を議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1未満に軽減することはできま
せん(会341条)。また、定款で議決要件を加重することができます(341条)。
2、取締役の選任に関し、累積投票の制度があります。2人以上の取締役を選任する場合
定款に別段の定めがあるときを除き、株主から株主総会の日の5日前までに請求があった
場合、累積投票によらなければなりません(会342条)。
定款で累積投票によらない旨を定めることができます(会342条1項)。累積投票制度は
批判が多く、改正前商法においても、ほとんどの会社の定款において累積投票の制度を
全面的に排除していました。相対的記載事項です。