会社設立の定款認証⑫
鹿児島市の行政書士安田事務所の安田三三男(やすだみさお)です。
会社設立の定款認証を支援しています。よろしくお願いします。
会社設立の定款認証
1、株主総会の決議について
1、株主総会の決議(普通決議)については、定款に別段の定めがある場合を除き、
議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し(定足数)
その議決権過半数の賛成により(議決権要件)、成立するものとされています(会309条
1項)。普通議決においては、定款で定足数を排除又は軽減することが認められている
ので、実務では定足数を排除するため、定款に「出席した株主の過半数をもって決定す
る。」旨定める例が多いようです。なお、決議要件(出席株主の議決権の過半数)を
軽減することはできません。
2、株主総会の特別決議については、議決権を行使することができる株主の議決権の過半
数を有する株主が出席し(定足数)、出席した株主の議決権の3分の2以上の多数をもって
(議決権要件)、行わなければなりません(会309条2項)。
なお、定款で、定足数を「3分の1以上の割合」と定めることも、決議要件を「3分の2を
上回る割合」と定めることもできますし、また、定款で、定足数及び決議要件に加えて、
「一定の数以上の株主の賛成を要する」旨の頭数要件を定めることもできます(会309
条2項)。
株主総会の特別議決を要する案件は、会社法309条2項各号に規定しています。
3、株主総会の特殊決議については、2種類あります。
その第1は、会社法309条3項各号が定める場合における株主総会の決議に要求されてい
ます。この場合の決議は、議決権を行使することができる株主の半数以上で(頭数要件)
当該株主の議決権の3分の2以上の多数をもって(決議要件)、行わなければなりません
が、定款で、頭数要件を「半数を上回る割合」に、決議要件を「3分の2を上回る割合」
に定めることができます(会309条3項)。
株主総会の特殊議決の第2は、非公開会社において、①剰余金の配当を受ける権利、②
残余財産の分配を受ける権利、③株主総会の議決権につき、株主ごとに異なる取扱いを
定める定款変更等、会社法109条2項の規定による定款の変更(当該定款の定めを廃止
する場合を除く。)を行う株主総会の決議に要求されます(会309条4項)。
この場合の決議は、総株主の半数以上で(頭数要件)、総株主の議決権の4分の3以上の
多数をもって(議決要件)、行われなければなりませんが、定款で、「半数を上回る割
合」に、議決要件を「4分の3を上回る割合」に定めることができます(会309条4項)。