会社設立(定款認証)⑦
鹿児島市の行政書士安田事務所の安田三三男(やすだみさお)です。
会社設立(定款認証)を支援しています。よろしくお願いします。
会社設立(定款認証)
1、会社法では発行する全部の株式の内容として、
①譲渡制限株式、
②取得請求権付株式及び
③取得条項付株式とすることを定款で定めることができることとされました(会107条
1項、2項)。
これは、発行する株式の全部について、一律に定めるものであり、株式の一部について
異なる定めをして発行する場合の種類株式ではないが、上記①ないし③について、種類
株式として発行することもできます(会108条1項)。種類株式には、上記のほかにも、
剰余金の配当(優先株式、劣後株式)、残余財産の分配(優先株式、劣後株式)、株主
総会において議決権を行使することができる事項(議決権行使条項付種類株式)等につ
いても認められています(会108条1項)。
2、定款を変更して、上記①の譲渡制限株式を設ける場合は、会社法309条3項の特殊
議決が必要ですが、定款で同議決の定足数、議決権要件を加重することができます(会
309条3項1号)。定款を変更して上記③の取得条項付株式の定めを設ける場合は、
株式の強制取得になるので、種類株式発行会社である場合を除き株主全部の同意をえな
ければなりません(会110条)。上記①についての定めを設ける定款変更に反対する株主
は、会社に対して、株式買取請求権を有します(会116条1項1号)。
2、株式の譲渡及び譲渡制限に関する規定
①会社法においては、株券不発行制度が原則であり、株券を発行するに場合には定款で
その旨定めることを要するとされています(会214条)。株券不発行会社においては、
株式の譲渡は意思表示のみに行われ、対抗要件も株主名簿の名義書換によるとされ、株券
発行会社においては、譲渡に株券の交付を要し、その対抗要件は当該会社に対しては株主
名簿の名義書換その他の第三者に対しては株券の占有とされています(会127条、128
条1項、130条)。
②会社法は、子会社による親会社株式の原則的取得制限等の法律上の制限のほかに(会
135条)、発行する全部の株式の内容として譲渡制限を付することができます。また、
会社法においては、新たに、一部の株式についても譲渡制限を付ける、すなわち、譲渡
制限種類株式を発行できることになりました(会108条1項4号)。この譲渡制限種類
株式には、優先株式等種類株式に譲渡制限を付すことも含まれますが、譲渡制限に関し
てだけの種類株式を発行することも許容されています。
③譲渡制限は、種類株式の場合も含め、原則としてすべての譲渡に適用されますが、定款
で一定の場合は会社が承認したものとみなす旨の規定を設けることもできるようになりま
した。